歯医者

よしが歯が痛いというので歯医者に連れて行く。奥歯を1本ごっそり抜かれた。たまたま日系人の小児歯科医が近くにいたのでそこに行くことにした。

先生:「(英語で) よしくん英語上手だねえ、日本語もできるの?」
よし:「(英語で) うん。でも少し忘れたよ。」
先生:「(英語で) 先生も日本語忘れちゃってねえ、でも英語もうまくないんだよ。」
看護婦: なぜか笑う

歯科で聞こえた日本語は、「いたくないよ」と「神経」だけだった気がする。私の住む地域は西海岸とは違いあまり日系人は住んでいないが、時々こうやって日本語を忘れてしまっている60過ぎ位の日系人に出会うことがある。私は以前、新幹線が走る前から日本に帰っていない、また帰る予定もない日系人の老医に出会ったことがある。私は、彼の持つ日本のイメージが、私が生まれるずっと前の日本であったことに驚き、違和感を感じたおぼえがある。彼らは外見は日本人であるが、日本語はとてもつたなく、日本人の持つ特有の仕草や日本人ではお決まりの態度を持ち合わせていない。統一性を重視する日本人から見ると、日本人ではない、と分類される人種であろう。日系人の祖父もそうである。そして、我が息子もそうである。私が昔から日系人を見るたびに何故か親近感が沸くのは、なにか理由があるような気がしてならない。そして今日もあの小児歯科でそう感じたのだ。