結果

気になっていたメタリックな音を調律士に見てもらう。このピアノが来て1ヶ月もたたない時に最初に見てくれたビルという中年の調律士だ。数十分あちらこちらを検査してもらい、私の不満も伝えた後、じっと作業を見つめている私の方に振り返り彼は、「店に返しなさい。これは直せない。こういう性質をもったピアノなんだ。気にならない人は全く気にせずにこの状態で弾いてるけどね…(君は)気にいらなんだろう。」と下がり調子で聞いてくる。

「気に入らない」。私は大人気のない小さな声でつんとした返事を返した。彼はすぐにピアノショップに電話をし、事情を説明してくれた。結局返品になる。次にどんなピアノが来るかまだ全くの未知数だが、ビルが帰った後、それでもこの7ヶ月間色々な感情を分かち合ってくれた今のピアノとまた時間を過ごした。


  • 初めてピアノが家にやってきたときの写真。